定・考/月乃助
 
に写せば
線は、支配的に定の意味を付与する
曲線のはるかな つながり
波にも似た 潮の香りがわきたつ


冬のさむさの正月などでなく
定を抱く
この夏の 雷雨をきくこの褥から
一年をはじめたかった
誰もがこの女を希求し
それを手にすれば 一人 不安とならずにいられない


「「 今までは 自分を忘れて男と関係したことはありません。(定口述)


愛欲に執着する と
愛は、遠ざかる
定は、それに気づかない
それならば、
いつか この女の指紋が
おれの首にくっきりと 付く日がくる


その時は、
おれの男根(もの)は、切り取られ
宝物さながら かえしの中にしまわれる


「「 女として 好きな男のものを好くのは、
   あたりまえです。(定口述)


予兆の中に肌をあわせ 眠る
充たされた
女の寝息をききながら




}


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