無題/櫻田 紫
きみが好きだと向日葵揺れるあの日につぶやいた
遅すぎた告白にきみはこたえない
呆然と立ち尽くす私目を閉じたままのきみ
美しすぎる悲しい芝居
風が陽射しがあの向日葵でさえ今は知らないふりしてる
枯れた花に想いを注いでもきみが返るわけじゃない
それでも願いつづけずにはいられないんだ
きみが好きだから
もし神様がいるなら奇跡ってやつを起こしてよ
こんな時だけ信じるなんてずるいかな?
でもきみに限って奇跡は起るんじゃないかって思えてしかたがないんだ
だから、ねぇ?
淡い期待は泡沫ってなんかの本でよんだなぁ
青い空に灰色が染まっていく
もうきみはいない
そうなの ね
向日葵がなんにもなかったかのように
私のほうを見ていた
なんだかあったかい
もうきみはいないけど向日葵がいる
涙なんてすぐに消えるさ
そしたらきみに会いに行くよ
向日葵と私の笑顔を持って
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