新/霜天
 
時計のゆるり止まるところ
消え行くことが決まりのように
今、ひとつの言葉が終わる
さよならから
さよならで
始まることがあるとして


遠くなっていくことに
手を振ります
僕らの
そればかりしかできないことを
時々には、思い出して
うつむくこと
ばかり


今、真っ白な紙の上
旅にでましょう
船を描いて
揺れていきましょう
見送る人たちに、手を振って
静かに消えるように
心で


今、ひとつの言葉が終わる
今、ひとつの言葉が消える
さよならと、振る
手の見る先で
旅立つ言葉の足元を描く


さよならの先で始まることを
さよならの先で生まれることを
今、僕らに消え行くことを
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