新/霜天
時計のゆるり止まるところ
消え行くことが決まりのように
今、ひとつの言葉が終わる
さよならから
さよならで
始まることがあるとして
遠くなっていくことに
手を振ります
僕らの
そればかりしかできないことを
時々には、思い出して
うつむくこと
ばかり
今、真っ白な紙の上
旅にでましょう
船を描いて
揺れていきましょう
見送る人たちに、手を振って
静かに消えるように
心で
今、ひとつの言葉が終わる
今、ひとつの言葉が消える
さよならと、振る
手の見る先で
旅立つ言葉の足元を描く
さよならの先で始まることを
さよならの先で生まれることを
今、僕らに消え行くことを
戻る 編 削 Point(3)