エリザベス/nonya
やしないだろうか
明らかに自由で
君よりも器用な僕の手と舌は
未だに自分の実体を確かめたことがないし
もどかしさを言葉にすることもできない
コツコツと
そんなことを咀嚼していたら
コツコツと
わずかに開いた引き戸の外側を
エリザベス?世の角で
君がしつこくノックしていた
溜息まじりに引き戸を開けると
長い尻尾でプライドを保ちながら
君は堂々と入場してくる
あのさあ
君には
招き入れてくれる者がいるけれど
僕は君のより
もっと透明でもっと幅広い
エリザベスカラーをつけているものだから
入るに入れないドアなんて
いくらでもあるんだよ
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