蘇生/
村上 和
いた
涙を拭おうと
腕を動かそうとしたとき
私はパタリと倒れた
身体に力が入らない
徐々に思考も停止してゆくのが解った
確かに苦しくはない
なぜ何も考えず薬を飲んだのだろう
なぜ死ぬんだろう
あのクロワッサンがいい
明日あなたが笑っててくれればいい
あのクロワッサンがいい
あの
プツンと思考が途切れて
目が覚めた
普通の朝だった
目覚ましはとうに止まっている
眠気眼で散らかった部屋を眺めながら
もう少し
ちゃんと生きようと思った
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