先輩との話/yamadahifumi
 
・」
 そう言って、僕はその「令嬢」に挨拶をする。「令嬢」はもちろん、僕なんか気にも留めていないのだが、一応は、軽い挨拶を返してくれる。
 「おい、ミネギシ。この人はなあ、今、彼氏と待ち合わせしていたんだが、俺がどうしても五分だけ時間をください。あなたの一生で、最も輝かしい時間にしてみせますから・・・。と、言ったら、快く応じてくれたんだよ。・・・いや、もちろん、わかっているさ。この人が、そこらの尻軽女とは違う、という事は。ね、そうですよね。(そう言って、先輩は女の方を見てニッコリと微笑んだ。女も微笑む。)・・・俺はな、ミネギシ、この人にこう言ったんだよ。・・・女性っていうのは、誰でも、幸福にな
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