先輩との話/yamadahifumi
 
・・・僕も、見くびられたもんですよ、先輩。・・・僕は先輩のその手口、『お前だけが頼り』っていうそのセリフ、そのセリフの正体をさんざん見せてもらったんですよ?・・・。手品のタネを明かした相手に、その手品をするっていうのは無意味でしょう」
 先輩は急速に黙り込んだ。
 「先輩。先輩は、あまりにも変わらなさすぎているんですよ。きっと。・・・馬鹿にも復讐心はあるし、人権だってあるし。先輩はその事を忘れていたんですよ。全くの所。先輩・・・・・あなたの会社での立ち位置って、どうなんです?・・・まあ、今も同じ会社にいるかどうかわかりませんが。・・・どうせ、最初は威勢よく、仕事ができる奴っていう振る舞いで、誰
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