先輩との話/yamadahifumi
大学の先輩が、昔、僕に言っていた事が、ふと思い出される事がある。
「お前は考え過ぎなんだよ。世の中なんてな、要領よくやりゃあいいんだよ。例えばなあ・・・ほら、あそこに女の子いるだろう。今から、俺が声をかけるからな、見てろ・・・」
そう言って、先輩は、その女の子に声をかける。・・・その女の子は、ちょっと清楚風のお固い化粧で、日傘なんかを射していた。誰かを待っている様子・・・あるいは、デート相手の彼氏を待っているのかもしれない・・・。
だが、その三分後には、先輩はその女の子を引っ張って、僕らのいた所まで戻ってくる。・・・先輩はイケメンだし、それに口も達者だった。・・・しかし、それにもまし
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