知/宛
天才になりたかった
天才になりたかった
よそのこがつかえる色を
わたしもつかいたかった
つかえるとおもっていた
こんな筆はこびを
わたしもしたかった
密なしごとを かんがえずに
わたしのおもむくままに
つみかさねてみたかった
天才になりたかったわたしの
ふたをあけるとなかみはからっぽで
かくしてわたしは
わたしが天才ではないことをしる
絵具のそうの
ひかりのはんしゃはすきとおり
透明色のとうめいはしたのそうとまじわり
ひとぬりごとにこんなにかがやいているのに
色は、色は、色は、、、、
うつくしいなぁ
天才になりたかった
なれるような、きがしてた
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