ヤマメが冷たい川の流れを/
草野春心
天窓からの陽射しでカレンダーは
上のほうだけが日焼けしてしまった
うんとこしょ、どっこいしょ
ヤマメが冷たい川の流れを
いそいそと掻きわけてゆく
うんとこしょ、どっこいしょ
うんとこしょ
右には何がある
険しい眼で河岸を見つめる
一頭の鈍重なカモシカ
左には何がある
朝は夜のあとにしか来ない
戻る
編
削
Point
(7)