牛/壮佑
コーヒーにミルクを垂らし
スプーンでかき混ぜると
渦の中から喋り声が聴こえてきた
「明日はゴミ出しの日だよ」
うるさいなあ分かってるよ
と思いながらカップを覗くと
超小型の牛が泳いでいる
スプーンで取り出してやると
小さくても豊満なおっぱいから
ミルクがぴゅるぴゅる出続けている
おっとトレーの外にこぼさないよう注意
すると隣りの客がこっちを見て
「ああ、また牛が出ましたか。
私は家内に捨てさせましたよ」と言う
「明日はゴミ出しの日だよ」
牛は同じことを繰り返している
「それじゃあいったん持ち帰って
明日ゴミ収集場所に出すとしましょう」
牛は急にミルクを止める
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