謙虚過ぎる君/朝焼彩茜色
 
謙虚の柵の向こうに 黒い太陽を浴びた枯葉が闇を止める そのままに
謙虚過ぎる君 君は柵を越えて 何を美徳と履き違えたんだい

俺は謙虚を持たず生まれてきた 
母親のせい
父親のせい
誰の何のせいにも しない 言い訳に唇を縫い合わせた 閃きの書物に
必然の栞が挟んであったんだ

嫌われるのを恐れた 腰を低く心はそのままに 謙虚の毒の香りを
柵の向こうから無意識に貰って 毒の香りが目に沁みたよ

俺は謙虚さを学ぶ為に生まれてきた
対極に矢を放ち
対極から批判を放置し 土足でオブラートもなく 開いた口そのままに
人を呆れさせて来たんだ

謙虚過ぎる君 その境界線を越えた
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