うすれてゆきながら(一)/信天翁
 
しばしば プロムナードの路肩で
     尖ったつぶてを踏んづけたとき

たまたま 古びたカーペットで
     痩せた足首を滑らしたとき

ときおり 三段変速のサイクリング車で
     ペタルを踏み損ねたとき

おらは 痛いほど知ることとなった
    老耄という呼び名を

そうだ きっとそうだ
    これが もののけの仕業なんだろう
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