詩人の孤独死/ただのみきや
 
 

何時の頃からか詩が化けている
病身の助けになればと書いてみた
介護詩は気味の悪い怪語詩に
看護詩はよく解らない漢語詩に
理学療法詩はまさかの自爆消防詩だ
イガ栗養蜂詩になりたいと打ち明けられた時
断固反対したのが祟ったようだ
このところ毎晩のように
枕元を走り回っているのは座敷わら詩
子供詩も放置しすぎるとこの始末だ
田園詩はもはや散り散りに
タニ詩や案山詩は姿を消し
嫁さが詩に後継者さが詩
個別保障廃詩や減反政策廃詩が幅を利かす
若い頃から書きためてきた
わかりやすい抒情詩たちはまさか化けはしまいと
高を括っていたのだが 甘かった
――オラオラオラオラ
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