禁じられた口づけ/ベンジャミン
嫌悪しててもやめなくて
キスのやり方なんて忘れていたから
これって目を閉じたらもっと気持ち良いのかなぁ
なんて そんなことも思ったし
実際目を閉じちゃったのは君にばればれだろうし
どうしよう 君に「愛してるの?」なんて聞いたら
まるですっかり僕が本気だってことだから
君の返事を期待しちゃうんだけど
僕はいまだに君の言葉が良くわからなくて
だからやっぱりこの現実が君の答えなんだと思った
いつのまにか君の細い腰に手をまわして
僕が馬乗りになってしまおうかと
ゆっくりと体をずらしていたら
突然違うところから伸びてきた手に
君はさらわれてしまった
呆然としている僕を
母さんと姉貴が心配そうに見ていて
姉貴は君を抱きかかえながら 冷めた口調で
「早く再婚すれば」なんて
それこそ冷たいセリフを投げつけたのだった
あと20年待って君を なんて言っても
君が理解できるまでに10年はかかるだろうか
それよりも 姉貴がそれを許さないだろうが
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