子猫/かなめ
 
あなたは
一匹の子猫をみつけた
木枯らしの吹いた夜
寒さに震え、怯えている

「よしよし」
「いい子だ」
「こっちにおいで」

警戒をしながらも
あなたの優しい声と
安心できる匂いの
もとへ吸い寄せられていく

子猫を抱きしめ
コートの中に包み込む
互いの温度に溶け込み合う

それは恋でもなく
もちろん愛でもなく
同じ寂しさを持つもの同士の
傷の舐めあい

教えてあげる
あなたにとって私は
ふところを暖める
湯たんぽの代わりさ

それに気づいたけど
気づかないふりをして
あなたのそばで
まるくなってもいいですか

行く先を失った子猫のように

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