青の断章/中川達矢
 
青に浮かべる心、青に浸す心。皮一枚のわずかな距離でもあれば、青を想える。眼はいつまでもその姿を見ることができない。


青い青と青くない青。空と海の間を渡る光、白い水平線。色を届ける光。絵の具の青に、絵の具の青を。どれだけ混ぜ合わせても青くならない青。どんな青よりも青い青。限りなく青い青。きみの青とぼくの青を混ぜたら、どれほど青くなれるだろうか。光をさまよう白い青が目を眩ませる。

青い夜空を裏返して夜の青空。海から色を借りた、空、泳ぐ魚。夜を裏返した青、青を裏返した夜、空、泳ぐ魚、眠る。夜の空にうつる青の空、泳ぐ魚、青く、眠る。青の空が夜の空から離れて、眠る、新月、泳ぐ魚、青く、眠る、
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