夏と冬/
こむ
無闇に 夏が好きだった
何もかも心開け放して
えんえんと暑くてたまらない中を
息はずませながら歩く
汗まみれの夏が好きだった
今は 冬もなかなかに好きだ
ストーブも炬燵も無く
凍り付くような部屋で
かちかちと歯を鳴らして
震えながら心研ぎ澄まして
じっとしているのだ
戻る
編
削
Point
(2)