夏と冬/こむ
 
無闇に 夏が好きだった

何もかも心開け放して

えんえんと暑くてたまらない中を

息はずませながら歩く

汗まみれの夏が好きだった


今は 冬もなかなかに好きだ

ストーブも炬燵も無く

凍り付くような部屋で

かちかちと歯を鳴らして

震えながら心研ぎ澄まして

じっとしているのだ
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