蛇/やや
 
ていき、兄弟などいないほうがよく、連れ添った相手は未だ他人で、子とは一体何であったのか。ただ、それだけであった。(腕を引かれ続ける)





毎晩欠かさずにしていた床寝は月光浴だったと知る
冷たいフローリングは青く縁どられ
粉っぽい光で肺を埋め、溺れ(首をかきむしる)

恐怖は喜びと違って、生まれつき
それは一つの信仰
(ねえ)
(きつくきつく抱きしめて くれたら、なんだってしてあげる)
(舌なめずり)





長い長い廊下を歩く
ワックスの塗られた床が黒く光っている
気をつけてもギシギシとなる床を 真夜中ずっと

台所にさえたどり着かなけれ
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