電線越しの希望/owl
 
電線越しに見えた光

雲に隠されたまま蠢いていた

あの希望に手を伸ばす

絡まる電気の糸が

首を絞めて 頭をショートさせて

身体も焦げ臭くなって

全部雲の向こうへ渡してしまったんだ…

空を駆け巡る 空を駆け巡る

儚い青に包まれながら
風に連れ去られて

月に還る

嗚呼何だ

あの光は偽物だったんだね…

還ろう 月に 還ろう

憂鬱と痛みと苦しみと記憶を

宝物みたいに手で抱き抱えて

遠い旅をして

あの真っ暗な夜の白い穴に

棄ててしまえば良い。
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