修行僧のように/
御笠川マコト
老いてゆく 親の後ろを
ゆっくりと歩く
苛つく気持ちを 抑えながら
托鉢に廻る修行僧のように
無を求めつつ。
道徳とか
世間体とかは
置き去りにしないと
己がが潰れるのだ
高齢化社会なんて
言葉遊びに過ぎず
共に歩く不運を
嘆く声を訊く者は無い。
生きる為に生きる
不思議のイキモノが
視界からはずれぬように
ゆっくりと歩けよ
修行僧のように。
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