修行僧のように/御笠川マコト
 
老いてゆく 親の後ろを
ゆっくりと歩く
苛つく気持ちを 抑えながら
托鉢に廻る修行僧のように
無を求めつつ。

道徳とか
世間体とかは
置き去りにしないと
己がが潰れるのだ
高齢化社会なんて
言葉遊びに過ぎず
共に歩く不運を
嘆く声を訊く者は無い。

生きる為に生きる
不思議のイキモノが
視界からはずれぬように
ゆっくりと歩けよ
修行僧のように。


戻る   Point(3)