能動的な夜に反射するものたち/ホロウ・シカエルボク
った台風が
むんとする空気を残して
週末の鎮魂歌
週明けの讃美歌
見送って切った人の名前も
そろそろ
古いものから忘れてしまいそうなこのところ
鈍い天気の下で
新しい落し物を探していました
それはまだ書かれるべきではないというタイトルの詩篇であったり
まだ塗られるべきではないというタイトルの絵であったり
ともかくすべてそういった風に
時期を外したものばかりであるのです
それは路の上に落ちているのではなく
かと言って部屋のどこかに落ちているのでもなく
だからって鞄の中なんかにあるはずがなく
そんなに必要なものなのかと尋ねられたら
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