破顔の片時 ?/
信天翁
加齢の彼氏が
ライスカレーを頬ばっている
あぶら顔をさらして
席をへだてた 妙齢の彼女は
茗荷のてんぷらを注文している
涼しい顔を店主にむけて
しにせの大衆食堂は たそがれどき
たばこの煙が細々と たなびき
エアコンの呼気が悠長に ながれる
調理場からは皿のかち合う 音もして
あゝ そうだ このけだるさこそ
たしかな 片時のやすらぎにちがいない
片田舎の庶民にとっては
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