殺しの記憶/atsuchan69
 
太刀によって惨殺せしめた

 女は、泣きわめいて夫の傍でしゃがみこんでいたが
 すぐに襟ごと引き摺られるとやがて両刀の男たちに輪姦された
 残忍な夜の出来事が、間もなく殺される女の悲鳴によって閉じようとしていた。
 それは去年、年貢の納められなかった者の村人への見せしめでもあった

 ――もどって酒ば飲も。えのころ食もろごちゃっなあ

 血と、穢れの匂いが男どもの肌に染みていた
 月明かりの夜道を、
 幾千匹もの蛙たちが一斉に‥‥
 狂おうしい念仏を声高らかに唱えて邪な彼らを見送った
 
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