区の境で/
番田
群衆がうごめく
光の中で
色々な人間と肩を合わせながら
僕は一人で考えている
それとも考えていなかったのか
わからないけれど
音が夏の日の波のようにやってきては
干上がっていくような光
気がつくと僕らは
そこにいなかったような気もするが
そこで気がつくと汗まみれのまま朝を迎えている
退屈な日常が
同じ瞳孔の中に
点滅していた
雨の中
倒れるようにして電車に乗り込むと
山手線の風景に消えていく
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