こがね さまよい/
木立 悟
緑の筆を捨てながら
河口へ向かうほころびたち
よどみよどみ 砕け散り
風を描いた絵はすべて
風に風に還りゆく
あたりを覆い
双子を創り
葉擦音に冷え
午後を終える
なかば こがねに染まる径が
底へ底へ下りてゆく
暮れる暮れ 白い壁
扉を閉める淡い花の手
よけいなものたち
わだかまりたち
まだらな水の径を往き
幽かに乱れ またたきながら
うたうようにさまよいはじめる
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