こがね さまよい/木立 悟
幼い虹が
水たまりを駆けてゆく
窓を流れ 昇る曇
誰かが何かを読む声が
水路の終わりに響いている
空に迷う鳥の声
白に降りる白の声
割れた渦にざわめく森
問うまなざしを重ねゆく
雨と霧が
色と音を連れてゆき
灯をはじく灯は
さらに明るく夜を失う
柱の端の闇
廃屋から流れつづける水
海という名の浅い皿
夕べに目覚め 戸惑うたましい
家の裏にまわる径
雨と雨がすれちがい
煙の花を降らせゆく
もとめるたびに消える径
午後の蓋の下
水に降る青
ひらく花の
ひとつひとつを見つめる鳥
緑の
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