夢か現か幻か/初代ドリンク嬢
 
安心してはダメですよ
 ドアを開けてはいけません」
と言っていたことを思い出した

外では、
白塗りの男が演説をしていた
太陽の高い真夏の昼下がり
誰も聞いていないのに
白塗りの男は声を張り上げていた
汗で白が剥げて
少し、日に焼けた肌が見えていた

相変わらず
汗が吹き出るような暑い午後
私の犬もいなくなった
多分、
殺されたのだと思う
「酢売りの男」か「白塗りの男」だと
思った。

どちらが
殺したのか
わからない
だって
私は
いつでもゆめうつ

夢の中でご飯を食べれば
それでお腹は膨れるし、
夢のなかではすごく働き者

それが夢
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