アントニオ・ヴィヴァルディの夏/朝焼彩茜色
爪の先で立つ 淡々シャクシャクと 空気だけが音をたてる
そこまで 来ている 管楽器に含む息を切らしながら
シャンシャンを泡泡と連れて来る 蒸し跳ね返す
そこまで 来ている シンバルが神経に触るあの密度の高い弦と弦の間合
汗垂れ弾く 蜃気楼をうつす 蒸し灼熱の瞳
そこまで 来ている 季語を指揮する 月まで届くコンマス振り雷降らす
爪の先で立つ 甲高い奥行きの映える 淡々凛々しい瞳 世界中の空気を巻き込む
そこに来ている
そこに来ている
夏の刺し
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