六月のミーティア/佐野権太
 
ある場所で
点、として生じた光りが
わずかな距離を移動して
塵となる
それを一生という

かきあつめたもの
握りしめたもの
すべて消滅してしまう
けれども

細い雨のあとの
植物たちのまるい呼吸
初夏の
音のない空の
たどりつく果てを
観測している

水没する長さと
浮上する短さの間に
いまにも流れ落ちそうな
君を

(ほら、りゅうせい、ぐんっ

つまりいま
君を願っている






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