悪魔/salco
 
であった
 (仮にその冬を生き延びて、栄養失調児なりに第二次性徴が発現し
  商品価値が出現してしまえば、人でなしの実父が手篭にするなり
  転売するなりして、可哀想な身の上の意味合が変わってしまう。
  もはや子ども向け読み物でもない。
  小児性愛者が大手を振っていなかった当時さえ、この子の生存は
  世人にとって看過できぬ問題を孕んでいたのだ。)
 あるいは現代に於いては
 非の打ちどころない被虐の可哀想が篤志家をして
 行政を動かし公共の福祉を促進させもするだろう
 19世紀末、動物虐待保護協会に助けられた
 メアリ・エレン・ウィルソンのように
 ただ問題は
 厄
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