Candy Says/Debby
ロングブーツは、彼女にはむいてなかった
夜になってもねぐらに帰らない
時間はとても大事なもの。
いま、きみがつまずいた場所から
ぼくの住む町までのことを
教えて欲しい
どこにもたどりつかなかった言葉たちの
ために語るとしたら
きみのほつれ糸にぶらさがった
とりたちのむくろが
一斉に羽ばたき始める
街は羽ばたきに満ちていた
まるで旧い冷蔵庫たちのなかで
暮らしているみたいだ
ぶうん、と繰り返す人々に
名前をつけていくきみは
今、つまづいた。
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