昼寝/
みずうみ鳶
金網の上に落ちた
影だけが拾った
空は洗濯物をなびかせる風に運ばれていく
ひとかけの雲が
群青のなか
海を思い出させた
白いシーツがたわんで揺らした影のなか
風穴(ふうけつ)に隠れた兄妹の
つないだ手と手
指と指のからんだ影は
見あたらなかった
笑顔は青い空を受けて
真っ白に照らす白波の中
永遠に高い空に焼き付けられた
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