太陽はどこにある/まーつん
るか頭上に覆いかぶさる
貪欲な樹冠が貪った
芳醇な日の光 その
僅かなおこぼれを
地べたに這いつくばって
いただいているだけの身さ
いつか
何物にも遮られない
陽ざしの中に 生きてみたい
深い森の 黒く太い
沢山の 幹の足元
その影に蠢く
雑草の一つではなく
一本の木になって
幹を伸ばして立ち上がり
青空に 手を伸ばしてみたい
この身を
栄光で照らしてくれる
俺だけの 太陽が欲しい
それが
過ぎた夢でしか
無いのだとしても
やめられないのさ
求め続けることを
あらゆる植物が
陽ざしを求めることを
やめられないように
太陽はどこにある?
この視界の
翳りを払い
この身体を
熱で染め
この心を
明るく照らす
天の大工が
大空に打ち付けた
一枚の銀貨
人が絶望に
俯くのをやめて
見上げる為の目標
希望の目印
太陽はどこにある
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