夜空/
佐藤伊織
ありがとう
三歩さがって
クレパスを
飛び越えた
黒い谷は
(どこまでもは
いかない)
屋上は
(いつだって)
柵に囲まれてるから
わたしの
喉です
絞られたひかりが
不安の種を
世界中にばらまくので
「あのね」
引っ張られて
また
あのクレパスを
飛び越えるの
ひらりと足が
伸びていき
手首がすらりと
伸びていき
「」あのね
引っ張られて
また
あのクレパスを
「飛び越えるの」
戻る
編
削
Point
(3)