蒸し暑かった セミが鳴いてた/
番田
何にも浮かばない夜
思いうかぶのは例えば子どもの頃のこと
大人になったら思い出は何も残らないから
時が経つほど鮮明になる
あの夏の暑い日に
海の中で泳いだ日のことを
沈む夕日を見ていたことを
もう一度あそこへ行ってみたい
だけど全てはもう無いんだ
目を閉じた時
僕一人の海が
今では胸を掠めるけれど
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