トムソーヤー卿/ゴースト(無月野青馬)
、思い出したい時に
耳に当てている
貝は
あの日の僕等の足音や
ずっと鳴り止まなかった蝉の声を
閉じ込めたまま
ちゃんと残してくれている
音だけはあの日のままだ
トムソーヤー
君のことをそう思っていた
トムソーヤー
心の中ではいつだってそう呼んでいた
1日も忘れたことはない
1回も忘れたことはない
だから
もう一度、会いたい
変わり果てた僕を見て
変わり果てた街を見ておくれよ
そして
変わらないソプラノの声で、もう一度歌っておくれ
この世の何処にも無い唄を
君の頭の中にだけ在る唄を
あの日のことは
永遠の名画のように
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