守護神/和田カマリ
だ・・・
うろうろしているだけの僕を
チーンと鐘の音で呼び寄せると
正座をして胸の前で手を合わせ
嬉しい事とか
悲しい事とか
お茶を入れてくれながら
心の底を惜しみなくさらけ出してくれる
なんだかむず痒いな
奴は家にいるとき、ほとんどうたた寝をしている
僕のそばでうたた寝をしている
僕達は良くおでこ同士でガツンとなる
「痛てて、お前あんまり無理するなよなあ。」
僕がそう言うと
「あなたの幸せを分けてもらったから。」
意味深な事を寝ぼけながら言う
お前のおかげで俺達親子
何不自由なく、暮して行ける
これからも身体に気をつけて
立派に働いてくれよ
ほんとお前って
守護神みたいな男だな
戻る 編 削 Point(2)