守護神/和田カマリ
 
だ・・・
うろうろしているだけの僕を
チーンと鐘の音で呼び寄せると
正座をして胸の前で手を合わせ
嬉しい事とか
悲しい事とか
お茶を入れてくれながら
心の底を惜しみなくさらけ出してくれる
なんだかむず痒いな

奴は家にいるとき、ほとんどうたた寝をしている
僕のそばでうたた寝をしている
僕達は良くおでこ同士でガツンとなる

「痛てて、お前あんまり無理するなよなあ。」
僕がそう言うと
「あなたの幸せを分けてもらったから。」
意味深な事を寝ぼけながら言う

お前のおかげで俺達親子
何不自由なく、暮して行ける
これからも身体に気をつけて
立派に働いてくれよ

ほんとお前って
守護神みたいな男だな

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