守護神/和田カマリ
家にはもう一人の大人がいて
毎日稼ぎに精を出していてくれる
家ではとかく影の薄いこの男だが
一歩外に出るとなかなかやり手らしく
この春、重役に昇進したらしい
自慢するわけでも、また隠すわけでもなく
毎日、淡々と仕事に励んでいるのだ
そして毎月25日前後にはお給料明細を
ビターンとテーブルに貼り付けて
責任感と優越感の混ざったような
良い顔で「どや!」って言う
僕はと言えば次の日の朝
銀行のディスペンサーの前で
嫁さんがたんまり引き出すのを
微笑ましく見つめているぐらいだ
子供たちや嫁さんはそれでも
不思議な事に僕を大事にしてくれる
風来坊みたいにただ・
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