梅雨/ドクダミ五十号
 
降れば良い

よどみもさすれば

満たされ以上に

早瀬はなお早く

とがった石も角を丸め

岸にて柳の枝は濡れそぼつ

止まない雨はない

風が言うのだし嘘ではない

風が雲を押して

空が晴れ渡り

柳の葉は枝を飾る

風は喜びを歌う

うぐいすの声を運び

激しい流れに怯えた小魚も

流れに袖を振るい舞うようだ

水面には

歌にも聞こえ

絵画にも見え

愛撫ともとれる

反射が四方にきらゝだ

水ごと掬い取っての

欲望は愚かなのだと

知っていながら試す時

君や私は破顔しましょう

価値はあるのですから




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