遠く美しいもの 憧れ/梅昆布茶
大切なもの すてられないもの こだわって
でも時はすべてを 風化させてゆく砂
眼に焼きつけた君の横顔 しなやかな指の運び 密やかな息遣い
階段の手摺を 君がもたれかかっていた重みを ちょっと揺れていた心も
失いたくないすべてのもの ぼくはただの木偶の坊だ ちっとも気が利かない
生きてゆくことに迷って ただ忘れたかったんだ その場しのぎさ
憧れは手にすることで壊れるのだろうか それとももっともっと遠くへゆくの
そして 遠く美しいものになるの
憧れになってしまうの
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