血液の中にスライム状をぶちこむ/最都 優
 
それは
草原の中にいきなり現れた扉のようで
開けた途端に怪物が流れてきた
怪物達はノブを回し
勝手に入ってきた

草原の中の動物達は驚き

綺麗な青で染まった空は次第に

開けた扉から流れてきた排気ガスによって
どんどん侵食していく

僕はその絵が好きだった

青色も血で染まる前まで
確かに
僕の好きな青だった


怪物達は次第に
地を剥いで

動物の皮を食らい

どんどん侵食していった

僕はその絵を最後まで眺めていたかった

次第に辺りは
赤で染まり
怪物達は僕の近くまでやってきた

僕の身体はその場所にいてはいけないと


危険信号を送っていた


もう無理だと思った時
手を引かれて
身体は離れ

その場所から
足を残して



外に飛び出していた
戻る   Point(1)