六月の歌声/吉岡ペペロ
 
山にはもう

やわらかな緑はないようだ

濃い万緑におおわれている

鶯の歌声も完成にちかづいている

からだで鳴いている

のどで押していないからふくよかだ

みずみずしい滴のようだ


繰り返している

ぼくのいのちの今そばにいる

繰り返している

ぼくの外部になり内部になる


山にはもう

やわらかな緑はないようだ

濃い万緑におおわれている

鶯の歌声も完成にちかづいている

からだで鳴いている

のどで押していないからふくよかだ

みずみずしい滴のようだ








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