ちょうつがい/nonya
 
けしまう私は
出来損ないのちょうつがいさえ
持て余して
なかなか開けられずに
ぴったり閉めきれずに
自分の正体さえ危うくしてしまう

それでも
使い勝手の悪いちょうつがいに
何度も溜息をつきながら
これからも
誰かのために
自分のために
ぎこちなく扉を開け閉めするのだろう
開け閉めしなければならないのだろう

錆びついて
二度と動かなくなったちょうつがいが
蝶の形をした魂となって
空へ還るその時まで



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