真夜中の嵐の中で。/元親 ミッド
 
猛り狂い 窓を叩く 真夜中の嵐に

恐る恐る 外の様子を伺おうと

少しだけ開いた窓に 風の爪かかりて

勢いよく開かれた窓に 飛び散るスリガラス

そこには 耳を劈く轟音と ただ闇しかなくて

それでも見極めようと開く目に

撃ち放たれる銃弾のような冷たい雨粒



叫びも 嗚咽も 雄たけびも

かき消され 届かなかった 祈りも



世界は 絶望のただ一色に

飲みこんでいった ブラックホール

降りやまぬ雨はないなんて 誰かが言ったらしいけれど

それまで 生き延びられればいいだろうけど

真夜中の嵐は それほど呑気でもない


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