コネクト/和田カマリ
 
鉛色の雲から垂れ下がった針金が
くにゃくにゃと編みこまれて
人間の子供の形をなして
歩道橋の上で行進していた

若くて錆付いていない彼等は
大人のように太くは無かった

やがて階段を下りてくると
異形の僕を見つけて騒ぎ始めたが
ジャージから火花を飛ばしている
錆だらけの針金先生の命令で
距離を置くことに決め込んだ

ポケットの中で磨いたペンチを
ジャキジャキさせていた僕は
足が無いので彼らに近づいて
切ったり解いたりできなくて
今回も空振りに終わってしまった

やがて蜘蛛の子を散らすようにばらけたが
どこへいくにも針金で操られているので
大して自由そうには見えなかった

油臭い雨が頬に当たったので
見上げると相変わらず無数の針金が
この街を覆う鉛色の雲から垂れ下がって
地上のなにかとコネクトして
バチバチショートしながら
電気のようなものを垂れ流していた

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