碧(みどり)/鵜飼千代子
 



零れる光の碧(みどり)の中を
お散歩するわたしは
待っていない



もう、
不安や警戒とは
距離を置いたのだ



「森林浴の効能」なんて詩
書いたっけ



どなた様も
お気遣いなく
好きにお散歩しているだけ
ですから



林や森を歩いていると
息吹をもらって
充足する



しなければいけない
わたしがしたいことに
意識が高まる



「遺書?」なんて
不安にならないで



わたしは、
絶対に自死はしないから。

これは、お約束。



肺癌で明日死ぬかもしれないけれど



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