水と径/
木立 悟
る手
頁の隣に触れる指
めくることができずに震える
冬の斜め 冬の濁り
白く刺さる樹 反りかえる樹
溶けることなく光は散る
どこからも また どこへでも
影になるのは
水から分かれた音ばかり
沈む舟を数え疲れて
砂の素足の子は眠る
色の音をひろい
終わりへ傾く歪みを埋める
青空も土も
こぼれつづける
やわらかなものから先に朝になり
曲がり角を持たず
雨を見つめる径だけが
空へ空へつながってゆく
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