犬のぼく/プル式
僕は
犬になった
小さな声で
わん、と泣いて
僕は犬になった
犬の生活は
ことのほか難しく
僕にはうまく
泣いたり笑ったり
出来なくなった
ことのほか
難しい事の他は
とても簡単で
いつの間にか
それを楽しんでいた
ある日人になった
僕は人になった
大きな声で
わんわんと鳴いたけど
犬には戻れなかった
ある日
僕はカーテンレールで
犬になる夢を見た
首輪にひもをつないで
楽しかった事ばかりを思い出して
部屋の隅で流れるおしっこを見ながら
空は青いなあと笑った。
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