青梅街道の事はよくわからない/虹村 凌
 

あの
あなたの声をあの受話器を通して聞きたいから
いまでも青梅街道を

あれお前いま何処に住んでるんだっけ
もうお前は青梅街道を転がっていないんだろう
苔が生える前にこの街を出て
どこかで
いやきっといま会ったら

仕事を終えて知らない男の車で青梅街道を転がるお前を
俺は青梅街道のどこかで見ていたのだろうか
俺は青梅街道の公衆電話をてがかりに転がり
苔が生える様に朽ちていく夢も見ず
いや目を開けたままで夢を見続けているのか
それともずっと眠っていたのか
お前とセックスすれば目が覚めるのだろう
ずっとわかっているんだ
お前とセックス出来たら俺はもう二度とお前の
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